幼稚園・保育園における『美しさ』とは?

Last-modified: Tue, 21 Mar 2017 10:31:20 JST (2598d)
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投稿者:悠佳里

テーマを聞いてからというもの、何を書こうかず~っと考えていました。子どもとの絆を語るのもなんか違うし、かといって『美しい』と言えるものもないし。
さてどうしようかと考えているうちに、ある言葉を思い出しました。
『子どもの前に立つときは服装の色合いに気をつけなさい。』
これは大学の授業で言われた言葉です。社会人として、服装に気を遣うのは当たり前のこと。でもそれをわざわざ言うんです。そして、こう続きます。
『保育者は最も身近な人的環境。服の色合いからも子どもは学んでいくのだから。』
 私の専門である『保育・幼児教育』では、教育を五つの領域に分けます。健康・人間関係・表現・言葉そして環境の五つです。『環境』の領域はさらに、室内の整頓やおもちゃの用意などの『物的環境』と、子どもが影響を受ける家族や保育者などの『人的環境』に分けられます。そしてこの『環境』の領域は保育の中で特に大切にされています。それはなぜかというと、子どもたちは子どもたち自身を取り巻く様々な環境から様々なことを学んでいくからです。子どもたちは、人的環境である周りの大人の立ち居振る舞いや言葉をよく見て、よく聞いて、真似をして、手本として成長していきます。最初に出てきた保育者の服装一つをとっても、服の組み合わせや色の合わせ方などが子どもの手本となり、そこから学び取っていくのです。
 ここで今回のテーマである『美しさ』に戻ります。環境が大事なのはわかったけど、じゃあ美しさとは?何か関係があるの?という感じだと思います。では保育・幼児教育において『美しさ』とは。
 保育園や幼稚園に入る幼い子どもたちが『美しい』とはどんなことか知っているかというと、そんなことはないと思うんです。本能的にはわかっていても、それを表現する言葉はまだ知らないというか・・・そんな子どもたちがまわりの大人の服の色合いから組み合わせの良し悪しを学び、「キレイだね」という声かけからキレイとはどんなものかを学ぶ。美しいものを一緒に見て、それを大人が素直に表現し、感動を分かち合う。こういう経験を日常生活の中で積み重ねていく。こうやって、人的環境である周りの大人が、自らの身をもって教えていくこと、子どもたちが『美しさ』を感じるための基礎を築いていくことが幼児教育にとっての『美しさ』なのだと私は思います。
 最後に私から一言。これを読むであろうお父さんお母さんに言っておきますが、これは私たち保育士・幼稚園教諭が保育を仕事にしているプロだから気を付けていることであって、お父さんお母さんたちが深刻に受け止める必要はありませんからね!!迷うこと、悩むことがあったらいつでも、住んでるところの保健師さんや保育士に相談してくださいね。
 最後まで読んでいただきありがとうございました!